会社概要

事務所名株式会社MMCコンサルティング
代表者名
佐多 宗
所在地
〒730-0037 広島県 広島市中区中町1-9 Yビル3階
電話番号082-247-3300
E-mailsata-hajime@tkcnf.or.jp
業務内容

・創業・独立の支援

・売上増対策

・マーケティング
・経営コンサルティング

・自計化システムの導入支援
・経営計画の策定支援
・資産譲渡・贈与・相続の事前対策
・事業承継対策
・保険指導
・経営相談

ほか

対応地域

●広島県:広島市、呉市、廿日市市、大竹市、東広島市、三次市、福山市、尾道市、府中町、海田町、北広島町
●山口県:岩国市
●島根県:浜田市、江津市、大田市、益田市、松江市、邑南町、川本町

グループ会社の有限会社 佐多会計事務所は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。

 中国税理士会 

インボイス制度

目次
1.インボイス制度の導入による請求書の様式変更
2.インボイス制度によるレシートや領収書の対応は?
3.買い手側の留意点(仕入税額控除にはインボイスの保存が必要)
4.免税事業者はインボイス制度へどう対応すればよいのか?
5.経理業務への影響は?
6.なぜインボイスが必要になる?
7.どの書類をインボイスにすればよい?
8.仕入税額控除にはインボイスが必要!
9.登録申請の注意点
10.仕入税額控除についてのQ&A(クレジットカード利用時、少額特例)
11.値引・返品時の返還インボイスはどうすればよい?
12.「記載事項」に漏れがないか最終確認しましょう!
13.受け取るインボイスの対応状況を確認しましょう!
14.令和5年10月1日をまたぐ取引のインボイスは?
15.令和5年10月1日以後の値引・返品時の対応
16.インボイスの実務対応Q&A

インボイスの実務対応Q&A

2023.11.8
インボイス制度が始まると、何をインボイスとして保存すればよいのか?従業員の旅費精算などインボイスが発行されない取引にはどう対応すればよいのか?など疑問が生じることがあります。実務における個別の対応を確認しましょう。

【免税事業者等から仕入れたとき】
Q1.インボイスを発行できない免税事業者等からの課税仕入であっても、令和5年10月1日~令和8年9月30日までは、消費税額の80%相当額の仕入税額控除を受けられるそうですが、どのように会計処理すればよいでしょうか?

A1.税抜経理の場合、仕入税額控除が受けられる80%相当額は、仮払消費税として処理し、20%相当額は、その金額を取引対価の額に含めることになります。

◆仕訳例(本則課税・税抜経理)
令和5年11月1日に免税事業者が営む国内の店舗で事務用品を購入し、11,000円を支払った。

備品消耗品費 10,200 / 現金 11,000
仮払消費税    800 /
※TKC財務会計システムでは、課税区分〔52〕〔62〕〔72〕で入力すれば自動計算されます。

なお、減価償却資産を購入した場合の少額減価償却資産の特例の判定や、交際費の範囲から一人当たり5,000円以下の飲食費を除外する場合の判定には、仕入税額控除が受けられない20%相当額を含めた金額で判定することになります。
この経過措置の適用を受けるには、以下の事項が必要です。

【経過措置の適用要件】
1.免税事業者等から区分記載請求書と同様の事項が記載された請求書等の保存
2.80%控除の特例を受ける課税仕入である旨を記載した帳簿(仕訳帳・元帳)の保存


【従業員の通勤手当・旅費交通費など】
Q2.従業員に支給する通勤手当は課税仕入として扱ってきましたが、従業員からインボイスをもらうことはできません。どうすればよいでしょうか?

A2.賃金規定等に基づいて従業員に支給した通勤手当(通勤に通常必要と認められる部分の金額)は、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
なお、「一定事項を記載した帳簿」とは、仕訳帳・元帳の摘要欄などに、以下の事項を記載したものが該当します。

【帳簿に記載する一定事項】
1.課税仕入の相手方の氏名又は名称
2.課税仕入を行った年月日
3.課税仕入に係る資産又は役務の内容
4.課税仕入に係る支払対価の額
5.課税仕入が通勤手当の支給に該当する旨 ※通勤手当を支給した従業員の住所の記載は不要

Q3.従業員の出張に伴う出張旅費、宿泊費、日当を支給する場合や、従業員による立替払いを精算する場合、インボイスはどうすればよいでしょうか?

A3.出張旅費等については、旅費規程等に基づいて支給するか、従業員による立替払いの精算かによって対応が異なります。
(1)旅費規程等に基づく実費相当額や日当を従業員に支給する場合
一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が受けられます。

(2)従業員の立替払いを精算する場合
原則として「会社宛てのインボイス」が必要になります。
「従業員宛てのインボイス」の場合は、この他に従業員が作成した「立替金精算書」等も必要になります。
※税込金額が3万円未満の場合は、公共交通機関特例の適用も可能

Q4.インボイスの保存が免除されている3万円未満の公共交通機関(電車・バス・船舶)の交通費(公共交通機関特例)について、気を付けることはありますか?

A4.「3万円未満」は、1回の取引の税込金額で判定します。
例えば、鉄道の乗車券を購入する際、片道3万円未満でも往復で購入して3万円以上だとインボイスが必要になります。あるいは、一人分は3万円未満でも、複数人分をまとめて購入して3万円以上であれば、インボイスが必要です。
なお、航空運賃やタクシー代、時間貸し駐車場の料金は、インボイスの保存が必要となるため注意してください。


Q5.従業員が、業務に必要な備品等を立替払いで購入した際、会社宛てではなく従業員宛てのインボイスを受け取りました。どうすればよいでしょうか?

A5.従業員宛てのインボイスと共に、従業員が作成した「立替金精算書」等を保存しておきます。


【賃貸借処理しているリース取引】
Q6.リース取引は賃貸借処理をしています。毎月計上するリース料について、インボイスの保存が必要でしょうか?

A6.令和5年10月1日以後のリース資産の引渡しの場合、リース会社(貸手)は、引き渡し時に売買処理を行い、当該リース取引の全額に対するインボイスを発行します。
借手は、引渡し時に受け取ったインボイスを保存することで、リース料を賃貸借処理する都度、仕入税額控除が認められます。

令和5年9月30日までのリース資産の引渡しの場合、リース会社(貸手)は引渡し時に売買処理を行い、当該リース取引の全額に対する請求書等(区分記載請求書等保存方式によるもの)を発行しています。借手は引渡し時に発行された請求書等を保存することで、リース料を賃貸借処理する都度、仕入税額控除が認められます。

令和5年10月1日以後の値引・返品時の対応

2023.10.6
インボイス制度開始の令和5年10月1日以後、会計処理に影響があるのが、売手負担の振込手数料・返品・値引きへの対応です。会計処理によっては、インボイスの発行や受け取りが必要になり事務負担が増える可能性があります。必要に応じて会計処理の見直しを検討しましょう。

【消費税の納税義務者は売手負担の振込手数料に注意!】
売上代金の決済時、商慣行として、取引先(買手)が振込手数料を差し引いた金額を振り込むことがあります。この場合、売手が負担することになる振込手数料相当額を「雑費」や「支払手数料」(以下、「雑費」)として費用処理をするか、「売上値引き」として売上のマイナス処理を行うことが一般的です。インボイス制度の開始により、売手負担の振込手数料を「雑費」とするか、「売上値引き」とするかによって売手の対応が異なります。売手負担の振込手数料についてのインボイス制度による影響を確認し、今後どの会計処理にするかを検討しましょう。

<売手負担の振込手数料の3つの処理方法>
売手負担の振込手数料については、以下の3つの対応が考えられます。

1、「売上値引き」として処理する
2、「雑費」として処理する
3、「雑費」で会計処理し、消費税法上は「売上値引き」処理する

1、「売上値引き」として処理する
インボイス制度では、登録事業者は返品や値引き、割戻しなどの売上に係る対価の返還等について「返還インボイス」を発行する必要があります。
しかし、金額が税込1万円未満であれば、返還インボイスの発行は免除されます。
数百円の振込手数料は、返還インボイスの発行は不要となり、事務負担は軽減されます。

例)売掛金110,000円について、振込手数料550円が差し引かれて109,450円の振込入金があった。

 普通預金  109,450 / 売掛金 110,000
 売上値引戻り高 550 /

 上記の仕訳の「売上値引戻り高」の課税区分は(課税売上に係る対価の返還)です。

2、「雑費」として処理する
売手負担の振込手数料を「雑費」として処理する場合、売上をマイナス処理しないため、売上集計表と帳簿上の売上が一致します。
従来は、「3万円未満の課税仕入」については、一定事項を記載した帳簿の保存のみで仕入れ税額控除が認められる特例措置があったため、数百円の振込手数料であれば、「雑費」として費用処理しても問題ありませんでした。
インボイス開始後は、この特例適用が廃止されるため、振込手数料について仕入れ税額控除の適用を受けるためには、原則として金融機関や取引先からインボイスを受け取る必要があります。したがって事務負担が増えることになります。

例)売掛金110,000円について、振込手数料550円が差し引かれて109,450円の振込入金があった。

 普通預金  109,450 / 売掛金 110,000
 雑費      550 /

 上記の仕訳の「雑費」の課税区分は(課税仕入)です。

<特例措置>
一定規模以下の事業者※には、税込1万円未満の課税仕入については、帳簿のみの保存で仕入税額控除を認める特例措置(少額特例)があります。
売上規模が少額特例が適用される事業者であれば、事務負担に影響はでません。しかし、令和11年9月30日までの措置なので注意が必要です。

※基準期間における課税売上高が1億円以下、または、特定期間における課税売上高が5千万円以下の課税事業者

3、「雑費」で会計処理し、消費税法上「売上値引き」処理する
売手負担の振込手数料について、会計上は「雑費」として処理し、消費税法上は売上に係る対価の返還として「売上値引き」処理することも認められています。
この場合、振込手数料相当額について、売上のマイナス処理を行いません。また、返還インボイスの発行が免除されます。

例)売掛金110,000円について、振込手数料550円が差し引かれて109,450円の振込入金があった。

 普通預金  109,450 / 売掛金 110,000
 雑費      550 /

 上記の仕訳の「雑費」の課税区分は(課税売上に係る対価の返還)です。

【実際に返品や値引きを行う場合は「返還インボイス」の発行が必要】売上に対して、実際に返品や値引きを行う場合には、その金額が税込1万円以上であれば返還インボイスの発行が必要です。
例えば、売上金額に端数が生じた場合、請求書上、端数分を値引き処理することがあります。この場合、値引きした端数分についての税率・消費税額などを記載した返還インボイスの発行が必要です。インボイスと返還インボイスを1つの書類にまとめて記載することも可能です。
請求書発行後、取引先とのやり取りで、「代金振り込み時に3万円差し引いて振り込んでください」といった値引きのケースがあります。この場合、値引きした3万円部分について、税率・消費税額などを記載した返還インボイスの発行が必要になります。

【少額な返還インボイスは交付義務が免除】
適格請求書発行事業者が、返品や値引きなど、売上に係る対価の返還を行う場合、返還インボイスを交付する義務があります。ただし、その金額が税込1万円未満の場合は、交付義務が免除されます。この措置には適用期限はありません。
売手負担の振込手数料の課税区分を「売上に係る対価の返還」として処理した場合、返還インボイスを発行する必要がなく、事務負担が軽減されます。

令和5年10月1日をまたぐ取引のインボイスは?

2023.9.4
インボイス制度開始の令和5年10月1日以後、売手は原則として、買手からの求めに応じてインボイス(適格請求書)を発行しなければなりません。買手は、仕入れ税額控除のためにインボイスの保存が必要になります。取引や請求書等の発行が令和5年10月1日をまたぐケースにおいて、適切にインボイスの発行や保存ができるように業務フローを確認しておきましょう。

【9月30日までの取引の請求書等を10月1日以後に発行する場合】
インボイスの発行は、売手において課税資産の譲渡等(資産の引渡し、貸付け、役務の提供)を行った日が基準になります。10月1日をまたぐ取引の請求書等の発行については、「いつ課税資産の譲渡等が行われたか」が重要なポイントとなります。

1、請求の締日が月末のケース
売上の請求が「月末締め・翌月に請求書発行」のケースでは、9月30日までに行われた課税資産の譲渡等であれば、請求書等の発行が10月1日以後であっても、これまでの請求書(区分記載請求書)で問題ありません。

2、請求の締日が月末でないケース
請求の締日が月末でないケースがあります。例えば、20日締めで「9月21日~10月20日」のように、インボイス制度開始日の「10月1日」をまたぐ請求書等については注意が必要です。
売手は、10月1日~10月20日までの取引についてはインボイスを発行する必要があります。9月21日~9月30日までの取引については、これまでの請求書の発行が認められています。
請求書等の発行の際は、以下のような方策が考えられます。

(1)請求書を2枚に分ける
(2)1枚の請求書に期間を区切って記載する

ただし、買手側からすれば、10月1日前後の課税仕入がいずれも仕入税額控除の対象となります。そのため、インボイスの記載要件を満たす請求書等であれば、9月分と10月分で期間を区切らず1枚にまとめて発行することも可能です。
インボイス制度開始前からインボイスを発行しても問題ありません。準備ができた段階でインボイスに切り替えておくと良いでしょう。

3、売手と買手の売上・仕入の計上基準が異なるケース
売手が出荷基準、買手が検収基準など、売手と買手において売上・仕入の計上基準が異なるケースがあります。
例えば、売手が9月27日に出荷して課税売上とします。買手は10月3日に検収を行って課税仕入とします。このケースでは、売手は9月30日以前に課税資産の譲渡を行っているため、これまでの請求書等の発行を受けても、買手は仕入れ税額控除が可能です。

【9月30日までに支払う短期前払費用(家賃・保守点検料等)】
法人税法や所得税法では、継続適用を条件に、事務所家賃や保守点検料などを1年分前払いした費用の全額を、実際の支払時に短期前払費用として、または損金として必要経費処理することが認められています。
消費税法においても、法人税法等の経理において全額を短期前払費用として処理する場合には、その支払時点で課税仕入とすることができます。
例えば、9月30日に1年分の事務所家賃を前払いして、短期前払費用として処理した場合、貸手からこれまでの請求書等を受け取り、帳簿に所定の事項が記載してあれば、仕入れ税額控除の対象となります。

【適格請求書発行事業者を選択した免税事業者の場合】
免税事業者から適格請求書発行事業者になる場合、9月決算法人を除いて、同一事業年度内に免税事業者の期間と課税事業者の期間が存在することになります。免税事業者の期間である9月30日までの売上、仕入、売掛金、買掛金を集計して区分しておきます。
請求の締日が月末でない場合、9月30日までの請求と10月1日以後の請求は、分けて請求書等を発行しましょう。

受け取るインボイスの対応状況を確認しましょう!

2023.8.1
令和5年10月1日から始まるインボイス制度では、本則課税事業者が仕入税額控除を適用するには、原則として取引先が発行したインボイスを保存する必要があります。取引先の事業者登録番号やインボイスになる書類(請求書や納品書等)の確認など、受け取るインボイスの対応状況を確認しましょう。

【仕入インボイスの対応】
取引先から受け取る仕入インボイスについて、制度開始直後は、記載内容に不備のあるインボイスを受け取る可能性もあります。
その場合、インボイスの記載内容についての責任は発行側にあり、受け取り側が追記・修正することは認められません。
取引先に、記載内容に不備のないように訂正して、再発行してもらわなければなりません。そうならないように、事前に取引先の協力を得て、対応を済ませておきましょう。

1、取引先から登録番号の通知を受ける
事前に取引先から登録番号(T+13桁の数字<法人の場合:T+法人番号>)の通知を受けて、国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」に登録番号を入力し、確認しておきましょう。
ただし、適格請求書発行事業者の登録申請から「適格請求書発行事業者公表サイト」に掲載されるまで数週間以上かかるため、検索時に掲載されていないこともあります。
また、登録番号を一度確認した後も、仕訳入力時に取引先が適格請求書発行事業者かどうか(失効、取消されていないかも含む)を再確認しましょう。

2、仕入インボイスの様式を確認する
一般的に、取引先との取引では、納品書、請求書、請求明細など複数の書類を受け取っているはずです。書類の名称に関わらず、インボイスに必要な記載事項が記載されている書類がインボイスとなります。取引先が発行するインボイスのサンプルを取り寄せ、事前に様式を確認しておきましょう。

3、経理処理への影響
どの書類がインボイスになるかにより、自社の経理処理に影響が及ぶことがあります。自社での経理処理を念頭におき、インボイスとなる書類について、取引先と検討することも必要になるかもしれません。
会計ソフトに入力する際は、仕入インボイスから「10%」「軽減税率8%」「免税事業者等からの仕入」を分けて入力する必要があります。

【取引先が免税事業者の場合は?】
1、取引先の登録状況を確認する
インボイスを発行できない免税事業者等からの仕入については、仕入税額控除ができなくなります。
小規模・個人事業者である取引先との取引(仕入・外注・不動産賃貸・サービス提供など)については、適格請求書発行事業者への登録状況の確認が必要です。

2、課税仕入に係る経過措置
仕入税額控除ができなくなると、その分、自社の納税額が増えることになります。
ただし、免税事業者等との取引への影響に配慮して経過措置が設けられています。
令和8年9月30日までは仕入税額相当額の80%、令和11年9月30日までは仕入税額相当額の50%を控除することができます。

<免税事業者等からの仕入税額控除可能額>
例)免税事業者からの課税仕入が110万円(うち仕入税額相当額10万円/税率10%)の場合

期間
経過措置の内容仕入税額控除できる額負担増となる消費税額
令和5年9月30日まで全額が仕入税額控除できる10万円負担なし
令和5年10月1日~
令和8年9月30日
仕入税額相当額の80%を仕入税額控除できる8万円2万円
令和8年10月1日~
令和11年9月30日
仕入税額相当額の50%を仕入税額控除できる
5万円5万円
令和11年10月1日~仕入税額控除できない0円10万円
3、取引条件を見直しする上での注意事項
免税事業者等である取引先に対して、適格請求書発行事業者への登録を要請することや、取引条件を見直すこと自体は、独占禁止法上は問題となりません。しかし、要請に応じない場合は、取引価格の引き下げや取引中止を一方的に通告する、あるいは仕入側の都合で著しく低い価格を設定するなどの行為を行うと、独占禁止法や下請法等に抵触する恐れがあるので注意しましょう。
<独占禁止法等により問題となる行為>具体例
●取引対価の引き下げ
 仕入税額控除ができないことを理由に取引価格の引下げを要請し、再交渉において、双方納得の上で取引価格を設定すれば、取引価格が引き下げされたとしても問題はありません。しかし、再交渉が形式的なものにすぎず、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合は問題となります。

●商品・役務の成果物の受領拒否、返品
 仕入先から商品を購入する契約をした後に、仕入先が免税事業者であることを理由に商品の受領を拒否、返品すること

●協賛金等の負担の要請等
 取引価格の据置きを受け入れる代わりに、取引の相手方に別途、協賛金、販売促進費等の名目で金銭の負担を要請すること

●購入・利用強制
 取引価格の据置きを受け入れる代わりに、当該取引に係る商品・役務以外の商品の購入・役務の利用を要請すること

●取引の停止
 免税事業者に対して、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格など著しく低い取引価格を一方的に設定し、不当に不利益を与えることとなる条件を提示し、その取引条件に応じない相手方との取引を停止した場合

●登録事業者となるような慫慂(しょうよう)等
1.課税事業者が、インボイスに対応するために、取引先の免税事業者に対し、課税事業者になるよう要請することがあります。このような要請を行うこと自体は、独占禁止法上問題となるものではありません。しかし、課税事業者になるよう要請することにとどまらず、課税事業者にならなければ、取引価格を引き下げるとか、それにも応じなければ取引を打ち切ることにするなどと一方的に通告することは、独占禁止法上又は下請法上、問題となるおそれがあります。
例えば、免税事業者が取引価格の維持を求めたにもかかわらず、取引価格を引き下げる理由を書面、電子メール等で免税事業者に回答することなく、取引価格を引き下げる場合は問題となります。

2.免税事業者が、当該要請に応じて課税事業者となるに際し、例えば、消費税の適正な転嫁分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置く場合

詳細は、財務省・公正取引委員会・経済産業省・中小企業庁・国土交通省「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」をご参照ください。

「記載事項」に漏れがないか最終確認しましょう!

2023.7.20
令和5年10月1日からインボイス制度がスタートします。
自社で発行する請求書等のインボイスが、要件を満たしているか再度確認しましょう。請求書やレシート等を発行するシステムの対応状況も確認しましょう。

【記載事項に漏れはありませんか?】
インボイスと簡易インボイス(レシート等)では必要な記載事項が異なります。

1、インボイスの場合
インボイス制度では、現在使用している請求書等の記載事項に加えて、新たに以下の記載が必要になります。
<新たに追加される記載事項>
 ●登録番号(「T」+13桁の数字)
 ●適用税率
 ●税率ごとに区分した消費税額等

2、簡易インボイスの場合
簡易インボイスは、小売業・飲食業・タクシー業・駐車場業など不特定多数の者に対して販売等を行う事業者が発行できるものです。
簡易インボイスとするレシートや領収書等を発行する場合は、現在の記載事項に加えて、新たに以下の記載が必要になります。
<新たに追加される記載事項>
 ●登録番号(「T」+13桁の数字)
 ●税率ごとに区分した消費税額等または適用税率(両方の記載も可)

レシート等を発行するレジシステム、食券販売機、時間貸し駐車場の料金精算機などのメーカーやリース会社に、インボイスに伴うメンテナンス状況を確認しましょう。

<インボイスと簡易インボイスの記載事項>

インボイス簡易インボイス
(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び適用税率
(5)税率ごとに区分した消費税額等
(6)書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
(5)税率ごとに区分した消費税額等または適用税率
※赤文字が新たに追加される記載事項
【インボイスの氏名・名称は屋号でもOK】
インボイス及び簡易インボイスには、氏名や名称の記載が必要です。名称については屋号や省略した名称などの記載が認められています。ただし、電話番号を記載するなどしてインボイスを発行する事業者が特定できることが必要です。
【1円未満の端数処理は1つのインボイスにつき1回のみ】
インボイスには、税率ごとに区分した消費税額等を記載する必要があります。1円未満の端数が生じた場合、端数処理は1つのインボイスにつき税率ごとに1回のみとなります。
端数処理の方法(切上げ、切捨て、四捨五入)は事業者の任意です。自社でどの端数処理方法にするかを決定し、決定した端数処理方法を徹底させてください。
インボイスの明細行に記載された個々の商品ごとに消費税額等を計算して1円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等とすることはできません。
<端数処理方法>

【家賃等を口座振替で受け取る場合のインボイス対応
不動産賃貸のように、契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、売り手が請求書や領収書を発行しない取引であっても、買い手が仕入税額控除を受けるためには、原則としてインボイスの保存が必要です。
事務所・店舗等の家賃や月極駐車場代などを口座振替や口座振込によって受け取る場合、請求書や領収書を発行しないケースがあります。借主が仕入税額控除を受けるために、借主からインボイスの交付を求められる場合があります。このような場合、貸主側の対応として以下の方法が考えられます。
(1)一定期間の家賃について、まとめてインボイスを発行する
(2)登録番号、適用税率、消費税額等の記載事項を不動産賃貸契約書に記載する※
(3)令和5年9月30日以前からの契約については、登録番号など契約書に不足している記載事項を借主に通知する※
※借主が契約書等と共に通帳等の記録を保存することでインボイスの保存要件が満たされます。
インボイスに必要な記載事項は、1つの書類だけに全てを記載する必要はありません。複数の書類で記載事項を満たせば、それら複数の書類全体でインボイスとして取り扱うことができるとされています。
借主が、登録番号・税率・消費税額等が記載された契約書を受け取り、実際に取引を行った年月日の事実を示すもの(通帳や銀行が発行した振込金受取書)を保存することで、仕入税額控除の要件を満たすことになります。
【適格請求書発行事業者の登録申請は完了していますか?】
インボイス制度が開始される令和5年10月1日から「適格請求書発行事業者」となるための登録申請期限は令和9月30日です。
申請後、登録通知が届くまで数週間はかかるので、申請を9月30日にしたのでは業務に支障が出ます。未申請の方で10月1日からの登録を希望する方は早めに申請しましょう。

値引・返品時の返還インボイスはどうすればよい?

2023.5.1
令和5年10月1日から始まる消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、適格請求書発行事業者が値引や返品等を行ったときには、原則として返還インボイス(適格返還請求書)を発行する必要があります。
ただし、令和5年度税制改正において、税込1万円未満であれば返還インボイスの発行が免除される改正が行われました。

【返還インボイスに記載すべき事項】
Q1.適格請求書発行事業者は、値引や返品の際にもインボイスを発行が必要なのでしょうか?

A1.値引等を行った際は、売手と買手の税率と税額の一致を図るため、原則として値引等の金額や消費税等を記載した返品伝票などの書類(返還インボイス)を発行しなければなりません。
ただし、3万円未満の公共交通機関(船舶、バス、鉄道)の運賃、3万円未満の自動販売機及び自動サービス機による商品の販売のように、インボイスの発行が免除される取引については、返還インボイスの発行も免除されます。


Q2.返還インボイスには、どのような事を記載すればよいですか?

A2.返還インボイスの記載事項は以下の通りです。

<返還インボイスの記載事項>

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 対価の返還等を行う年月日
  3. 対価の返還等の基となった取引を行った年月日※
  4. 対価の返還等の取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  5. 税率ごとに区分して合計した対価の返還等の金額(税抜 又は 税込)
  6. 対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率

※対価の返還等の処理を合法的な方法により継続して行っていれば、「前月末日」や「最終販売年月日」をその取引を行った年月日として記載することも可能です。また、「〇月分」などの課税期間の範囲内で一定の期間の記載も可能です。

【少額な値引・返品は返還インボイスの発行を免除】
Q3.決済の際に、売手が負担する振込手数料を「売上値引」として処理しています。この場合、返還インボイスを発行する必要がありますか?

A3.令和5年度税制改正において、税込1万円未満の値引・返品・割戻しなどの売上に係る対価の返還等については、返還インボイスの発行が免除されることになりました(少額な返還インボイスの交付義務免除)。
振込手数料(税込1万円未満)を売上値引処理する場合は、返還インボイスの発行は不要です。

Q4.少額な返還インボイスの交付義務免除に適用要件はありますか?

A4.適用対象者の制限はありません。また、恒久的な措置のため適用期限はありません。
すべての適格請求書発行事業者が対象です。税込1万円未満の売上値引処理をする場合は返還インボイスは不要です。


Q5.売手が負担する振込手数料を「支払手数料」として処理していますが、交付義務免除の対象になりますか?

A5.売手が負担する振込手数料を「支払手数料」すなわち課税仕入として処理している場合は、そもそも返還インボイスを発行する必要がありません。
支払手数料として仕入税額控除を行うためには金融機関や取引先から支払手数料に係るインボイスを受け取って保存することが必要です。
ただし、一定規模以下の事業社においては、税込1万円未満の課税仕入について、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例(少額特例※)の対象になります。
※少額特例
対象者:基準期間の課税売上高が1億円以下 または 特定期間の課税売上高がが5千万円以下の課税事業者
対象期間:令和5年10月1日~令和11年9月30日


Q6.売手が負担する振込手数料について、会計上は「支払手数料」、消費税法上は売上に係る対価の返還等として処理することはできますか?

A6.振込手数料相当額について、会計上は支払手数料として処理していても、消費税法上は売上に係る対価の返還等として処理することが可能です。
この場合、振込手数料相当額が税込金額1万円未満であれば、返還インボイスの発行は不要です。
消費税法上、売上に係る対価の返還等として処理する場合は、その基となった適用税率(判然としない場合には合理的に区分)による必要があるほか、帳簿に対価の返還等に係る事項を記載し、保存する必要があります。

仕入税額控除についてのQ&A(クレジットカード利用時、少額特例)

2023.4.17
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。
現行の消費税法では、3万円未満の取引については帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例がありますが、インボイス制度開始後は、一部を除いて原則として認められなくなります。クレジットカードやコインパーキングなどの利用時には注意が必要です。

【カード会社がら発行される利用明細書はインボイスにはならない】
Q1.クレジットカード会社から毎月送られてくる「利用明細書」の保存で仕入税額控除は認められますか?

A1.インボイス制度では、「利用明細書」や「請求明細書」はインボイスとして認められません。
クレジットカード会社が利用状況をまとめた「利用明細書」や「請求明細書」は、カード利用者に対して事業者(店舗)が作成した書類でないため、請求書等に該当しません。これは、現行の消費税法においても請求書等に該当しません。


Q2.クレジットカード利用時は何をインボイスとして保存すればよいですか?

A2.買い物をした店舗等が適格請求書発行事業者であれば、店舗等が発行する「ご利用明細」「ご利用控」にインボイスに必要な記載項目が記載されているので、これを保存してください。
この「ご利用明細」等には以下の項目が記載されていることが一般的です。

  1. その書類の作成者の氏名又は名称
  2. 課税資産の譲渡等を行った年月日
  3. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減税率対象である場合は、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)
  4. 税率の異なるごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額
  5. その書類の交付を受ける物の氏名又は名称

そのような書類であれば、消費税法における請求書等に該当することになります。

Q3.これまで、店舗が発行する「ご利用明細」をきちんと保存していなかったかもですが大丈夫ですか?

A3.クレジットカード会社が発行する「利用明細書」や「請求明細書」は、消費税法上の請求書等には該当しませんが、現行では、税込3万円未満の取引の場合、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められているため、少額のクレジットカード取引については、「請求明細書」を保存することで問題とされなかったと思われます。
インボイス制度の開始後は、3万円未満の特例が廃止されるため、クレジットカードを利用する場合、店舗等が発行する「ご利用明細」や「ご利用控」を必ず受け取って保存することを徹底してください。
高速道路を利用する際、料金所でクレジットカード払いをする場合は、交付される「利用証明書」を保存しましょう。
ETCを利用する際、クレジットカード会社が発行する「ETCクレジットカード」を利用した場合は、Web上の「ETC利用照会サービス」にて簡易インボイスが電子データで交付される予定です。

Q4.コインパーキングの利用時は、どうすればよい?

A4.コインパーキングから発行されるレシート(簡易インボイスに該当するもの)を必ず保存してください。
インボイス制度では、3万円未満の自動販売機や自動サービス機からの商品の購入については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例があります。しかし、コインパーキングは対象外ですので、簡易インボイスが必要になります。


【一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置(少額特例)】
Q5.令和5年度税制改正で、少額の取引であればインボイスの保存がなくてもよくなったそうですが?

A5.中小事業者の事務負担に配慮して、一定規模以下の事業者については、1万円未満の課税仕入(経費等)であれば、インボイスの保存がなくても帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められることになります。(少額特例)

Q6.少額特例の対象となる一定規模以下の事業者とは?

A6.次のいずれかの事業者が対象です。
・基準期間(前々事業年度)課税売上高が1億円以下の事業者
・基準期間の売上高が1億円超であっても特定期間(個人事業者は前年の1~6月)の課税売上高が5000万円以下の事業者

Q7.少額特例は、いつまで適用される?

A7.対象期間は、インボイス制度開始から6年間です。令和5年10月1日~令和11年9月30日までの間に行う課税仕入が対象となります。
事業年度の途中であっても、令和11年10月1日以後に行う課税仕入は、少額特例の適用はありませんので注意が必要です。

Q8.少額特例の対象となる1万円未満は、税込、税抜のどちらで判定されますか?

A8.税込金額が1万円未満かどうかを判定します。

Q9.例えば、9,000円と6,000円の商品を同時に購入した場合(合計15,000円)、それぞれの商品が少額特例の対象になりますか?

A9.少額特例は、1回の取引合計額が1万円未満かどうかで判定します。
この場合、合計15,000円の取引となるので、少額特例の対象とはなりません。

登録申請の注意点

2023.3.3
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。
スタートに合わせて適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、原則として3月31日までに登録申請をする必要があります。
3月31日の期限後の申請であっても令和5年9月30日までの申請については、インボイス制度開始の令和5年10月1日を登録開始日として登録されることになりました。

Q1.インボイス(適格請求書)を発行するための手続きは?

A1.インボイス(適格請求書)を発行するためには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を税務署長に提出し、適格請求書発行事業者の登録を受ける必要があります。
登録を受けると、登録番号や公表情報が記載された「登録通知書」が発行されます。また、国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」に名称、登録番号等が掲載されます。


Q2.いつまでに適格請求書発行事業者の登録申請をする必要がありますか?

A2.インボイス制度が開始される令和5年10月1日から登録を受けるには、原則として令和5年3月31日までに登録申請が必要です。
令和4年12月23日に閣議決定された「令和5年度税制改正の大綱」において、4月1日以後の登録申請であっても柔軟に対応する方針が示されました。これを受け、令和5年9月30日までの申請については、インボイス制度が開始する令和5年10月1日を登録開始日として登録されることになります。

Q3.免税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請を検討する際、注意点はありますか?

A3.免税事業者が適格請求書発行事業者に登録すると、課税事業者として消費税の申告・納税が必要になります。
令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合、登録希望日(提出から15日以後の日)から課税事業者となる経過措置があります。令和5年10月1日より前に登録通知を受けた場合でも、登録の効力は令和5年10月1日から生じます。
例えば、事業年度が1月1日~12月31日の免税事業者が令和5年10月1日から登録を受けた場合、令和5年1月1日~令和5年9月30日は免税事業者、令和5年10月1日~令和5年12月31日は課税事業者となります。
この経過措置の適用を受けるには、登録日から課税事業者となりますので、「消費税課税事業者選択届出書」を提出する必要はありません。

Q4.免税事業者から適格請求書発行事業者になった場合、負担軽減措置が設けられるそうですが、詳細は?

A4.税負担・事務負担を軽減するため、売上税額の2割を納税額とすることができる特例(2割特例)が予定されています。
消費税の申告には、売上や仕入にかかる消費税額等の集計やインボイスの保存などが必要です。しかし、この特例を適用すれば、所得税・法人税の申告で必要となる売上・収入を税率ごとに把握するだけで、申告書を作成することができます。この2割特例は、事前の届出が不要であり、申告時に選択適用することが可能です。確定申告書に2割特例を適用する旨の付記が必要です。

【2割特例】
対象者:免税事業者から適格請求書発行事業者になった方
(2年前の課税売上高が1,000万円以下等の要件を満たす方)

対象期間:令和5年10月1日~令和8年9月30日を含む課税期間
(個人事業者は、令和5年10月~12月の申告から令和8年分の申告まで対象)

仕入税額控除にはインボイスが必要!

2023.1.10
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。原則として、買い手側は、売手から受け取ったインボイス(適格請求書)等を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。今回は、仕入税額控除とインボイスについてを見ていきます。

Q1.インボイス制度で、買手(仕入)側が注意すべき点はありますか?

A1.インボイス制度では、買手側は原則として一定事項が記載された「帳簿」と売手(取引先)から受け取った「インボイス」を保存しなければ、仕入税額控除の適用を受けることができなくなります。
受け取るインボイスへの対応として、取引先が発行する書類(請求書、領収書、納品書等)のうち、どれがインボイスなのか、インボイスの記載事項を満たしているのか、どのようにインボイスを受け取るのかなど、取引先に準備、協力してもらわなければならないことが多くあります。
経理業務の見直しを含めて、自社が発行するインボイスの対応よりも時間がかかることが予想されます。
取引先から受け取るインボイスについて、次のことを早期に進めましょう。

1、取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認する(インボイスを発行できるのは登録事業者のみ)
2、取引先の適格請求書発行事業者の登録番号を確認する(登録申請をしていない可能性もある)
3、取引先のインボイス制度への対応状況を確認する
4、取引先とインボイスにする書類を決めていないときは打合せをする
5、インボイスの受取方法(紙または電子)を確認する
6、取引先から事前にインボイスを受け取り、様式を確認する(不足する項目があれば修正依頼をする)
7、受け取ったインボイスからの仕訳計上の方法とタイミングを確定する
8、受け取ったインボイスの保存方法を確定する

Q2.簡易課税制度を選択していますが、インボイス制度への影響はありますか?

A2.簡易課税制度では、課税売上高から納付する消費税額を計算するため、仕入税額控除の要件としてインボイスの保存は求められていません。
消費税の計算はこれまで通りの方法でよいため、帳簿や書類の保存方法を変更する必要はありません。

Q3.電車やバスを利用した場合、インボイスの保存はどうすればよいですか?

A3.公共交通機関(鉄道、バス、船舶)の運賃については、3万円未満であれば一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

(1)売手からインボイスの交付を受けることが困難な取引
以下の取引については、買手側は帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

1、3万円未満の公共交通機関(鉄道、バス、船舶)の運賃
2、3万円未満の自動販売機での購入
3、郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ボストに差し出されたものに限る)
4、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入
5、簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除く)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
6、古物営業、質屋、宅地建物取引を営む事業者が、適格請求書発行事業者でない者から古物、質物または建物を当該事業者の棚卸資産として取得する取引
7、適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品を棚卸資産として購入する取引

上記の取引は、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、次の事項の記載が必要となります。
●帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入に該当する旨
例)
1、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送に該当する場合:「3万円未満の鉄道料金」
2、適格請求書発行事業者の記載事項(取引年月日を除く)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引に該当する場合:「入場券等」

●仕入の相手方の住所または所在地

(2)現行の「3万円未満の課税仕入」の規定は廃止
現行では「3万円未満の課税仕入」や「請求書等の交付を受けなかったことにつき、やむを得ない理由があるとき」は、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められていますが、インボイス制度の開始後は認められなくなります。
なお、事務負担の軽減措置として、基準期間の課税売上高が1億円以下の事業者について、6年間、1万円未満の課税仕入については帳簿のみの保存で仕入税額控除を可能とする令和5年度税制改正が検討されています。

Q4.事務所の家賃を口座振替で支払っています。請求書や領収書の発行は受けておらず、通帳に口座振替の記載が残るだけです。不動産賃貸契約書は作成しています。この場合、インボイスの保存はどうすればよいですか?

A4.通常、契約書に基づき代金決済が行われ、取引の都度、請求書や領収書が発行されない取引であっても、仕入税額控除を受けるためには、原則としてインボイスの保存が必要です。
インボイスの記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された不動産賃貸契約書とともに通帳や銀行が発行した振込金受取書(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を保存することで、仕入税額控除の要件を満たすことになります。
あるいは、貸主から一定期間の賃借料についてのインボイスの交付を受け、それを保存することによる対応も可能です。
なお、令和5年9月30日以前からの契約について、契約書に登録番号等のインボイスとして必要な事項が不足している場合、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存していれば差し支えありません。

どの書類をインボイスにすればよい?

2022.12.1
令和5年10月からインボイス制度(消費税の適格請求書等保存方式)が始まります。
適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者のみがインボイス(適格請求書)を発行することができます。
自社が発行する領収書、請求書、納品書などの書類のうち、どれをインボイスにすればよいのでしょうか?

Q1.どのような書類がインボイスになりますか?

A1.インボイス制度では、書類の名称に関係なく、下記の必要な記載事項が記載されたものがインボイスになります。
【インボイスに必要な記載事項】

1.適格請求書発行事業者の氏名又は名称 及び 登録番号
2.取引年月日
3.取引内容(軽減税率対象品目である旨)
4.税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜 又は 税込) 及び 適用税率
5.税率ことに区分した消費税額等
6.書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

 ※1.4.5の赤字部分は、現行の記載事項に、新たにインボイス制度において追加される事項です。

現在、取引先に発行している書類のうち、消費税額等を通知している書類があれば、それは何かを確認しましょう。通常は、納品書、請求書、領収書(レシート)でしょう。
取引先に発行する書類を把握し、どの書類に必要な記載事項を記載すればインボイスになるかを確認し、インボイスとする書類を決めましょう。

Q2.当社では、取引の都度、取引先に商品名を記載した納品書を発行し、請求書は1か月分をまとめて発行しています。この場合、どれをインボイスにすればよいのでしょうか?

A2.通常は、請求書をインボイスとすればよいでしょう。
納品書に適用税率や消費税額等を記載されているケースでは、納品書をインボイスとする方法もあります。
また、どれをインボイスにするかは、仕訳の計上時期にも影響があります。
インボイスにする書類を決めたら、取引先に伝えたり、事前に協議することも検討しましょう。

(1)請求書をインボイスにするケース
現在使用している請求書に、登録番号などの必要事項を追加記載することでインボイスとします。
この方法では、納品書の様式を変更する必要はありません。
ただし、請求書発行まで消費税額等が確定しないため、納品時に、売手・買手ともに消費税額等の仕訳を経常することができません。

(2)納品書をインボイスにするケース
取引の都度発行する各納品書に必要な記載事項を全て記載すれば、請求書に記載事項を記載しなくても、納品書をインボイスとすることができます。
この方法は、納品時に消費税額等を確定できるため、納品の都度、消費税額等を含めた仕訳を計上することができます。
ただし、得意先が納品書の保存を失念し、請求書のみを保存することのないように、事前に説明しておきましょう。

(3)納品書と請求書を合わせてインボイスにするケース
インボイスは、一つの書類のみで必要な記載事項を全て満たす必要はありません。
納品書と請求書の相互関連が明確であり、取引内容を正確に認識できる方法であれば、その複数の書類の全体によってインボイスの記載事項を満たすことも認められています。
例えば、納品書には日々の取引内容(軽減税率である旨を含む)を記載し、請求書に、登録番号、税率ごとに区分した消費税額等及び適用税率を記載すれば、全体でインボイスに必要な記載事項を満たすことができます。


Q3.当社は、雑貨を販売する小売業です。現在発行しているレシートや手書きの領収書をインボイスにすることはできますか?

A3.レシートや手書きの領収書であっても必要な記載事項が記載されてあれば、インボイスとして発行することができます。
また、小売業をはじめ、飲食業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業のように不特定多数の者を相手に取引を行う事業者は、インボイスに代えて、記載事項を簡易にした簡易インボイス(適格簡易請求書)を発行することができます。
簡易インボイスの記載事項は、Q1.の【インボイスに必要な記載事項】と比べると以下の記載が異なります。

・「税率ごとに区分した消費税額等」または「適用税率」のいずれか一方の記載で足りる(両方記載することも可能)
・「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要

なぜインボイスが必要になる?

2022.11.14
令和5年10月1日からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。
インボイス制度は、課税事業者にも免税事業者にも影響のある大きな制度改正です。
では、なぜインボイスが必要となるのでしょうか?

(1)買手の仕入税額控除にインボイスが必要
インボイスが始まると、原則として、買手は売手から受け取ったインボイスと一定事項が記載された帳簿を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。
事業者が納付する消費税額は、事業者が売った時に買手から受け取った消費税額から、買った時に取引先等に支払った消費税額を控除して計算します。

◆消費税の納付額の計算方法
納付する消費税額 = 売った時に受け取った消費税額(売上税額)- 買った時に支払った消費税額(仕入税額)

インボイスは、売手が買手に対して正確な消費税率や消費税額を伝える手段となります。また、インボイスは、登録を受けた事業者でなければ発行することができません。従って、きちんと対応しなければ得意先に迷惑がかかります。

(2)現行の方法はインボイス実施までの経過措置
現在も、請求書に10%と軽減税率8%の税率ごとに金額を記載しているのに、なぜ新たにインボイスが始まるのでしょうか?

令和元年10月に8%の軽減税率制度が実施され、複数税率となりました。
仕入税額のなかに、8%と10%のものが混在することになり、正しい消費税額を算出するために、商品ごとの価格と税率が記載された書類の保存が求められるようになりました。
インボイス制度は、複数税率に対応した仕入税額控除の方式です。
インボイス制度に移行するまでの経過措置として、現行の区分記載請求書等保存方式が導入されました。現行では、請求書等に「軽減税率の対象品目である旨」「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」の記載が追加されたのです。
そのような経緯を経て、令和5年10月1日からインボイス制度が導入されることになりました。

(3)登録を受けない課税事業者という選択もある
仕入税額控除のためにインボイスの保存が必要なのであれば、消費税を納税をしない消費者だけを顧客とする事業者はどうなるのでしょうか?

適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかは、事業者の任意となっています。
事業者がインボイスを発行するためには、登録を受ける必要があります。
適格請求書発行事業者は、販売する商品に軽減税率対象品目があるかどうかを問わず、買手から求められれば、インボイスを発行しなければなりません。

課税事業者の中には、取引先がインボイスを必要としない消費者や免税事業者、簡易課税制度を選択している課税事業者のみというケースもあります。
例えば、学習塾などです。買手となる生徒は消費者なので、インボイスを保存する必要がありません。そのため、売手は必ずしもインボイスを発行する必要はありません。

課税事業者であってもインボイスを発行する必要のない事業者が、適格請求書発行事業者になると、原則として次のような売り手側の義務が発生します。

【適格請求書発行事業者の義務】
1、インボイスを発行する
2、返品や値引などを行う場合に、返還インボイスを発行する
3、発行したインボイスに誤りがあった場合は、修正したインボイスを発行する
4、発行したインボイスの写しを保存する

このように、適格請求書発行事業者には一定の義務が課せられるため、インボイスを発行する必要のない課税事業者は、適格請求書発行事業者の登録を受けないという選択肢が考えられます。

ただし、登録を受けない課税事業者であっても、自社が仕入税額控除を行うためには、仕入先等からのインボイスを受け取って保存する必要があります。

【適格請求書発行事業者の登録を受けるかどうかの判断】
□ 買手がインボイスを必要とするかを検討する
 ・買手が、消費者、免税事業者または簡易課税制度を選択している課税事業者である場合は、インボイスを必要としない

□ 登録を受けた場合、受けない場合について検討する
 ・登録を受けると、登録を受けている間は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下となっても、課税事業者として申告が必要となる
 ・登録を受けない場合、インボイスを発行することができない
 ・登録を受けない場合、買手は経過措置の6年間は、仕入税額の一部を控除することが可能

□ 登録を受ける場合は、登録申請手続きをする

経理業務への影響は?

2022.3.3
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。インボイス制度の実施に向けて、請求書の様式変更、販売管理システムの設定変更、経費精算ルールの見直しなどの事前準備が必要です。また、インボイス制度のスタート後は、インボイスの記載内容の確認、消費税額の計算方法など、いくつかの注意点があります。

Q1.当社は「適格請求書発行事業者」の登録申請を済ませました。当社が発行する請求書の様式やシステムについて、何に注意すればよいですか?

A1.取引先に渡している請求書等(請求書、納品書、領収書など)を確認し、どの書類をインボイスにするのかを決めましょう。
例えば、現在使用している請求書(区分記載請求書)をインボイスにする場合、「事業者登録番号」や「税率ごとの消費税額等」などの記載項目を増やす必要があります。それに伴い、請求書の様式変更や、販売管理システム・請求書発行システムの設定変更をする必要があります。
様式変更後の請求書は、インボイス制度の開始前から使用することが可能です。請求書の在庫に合わせて切り替えましょう。

Q2.電子インボイスとは何ですか?

A2.国が推進する統一プラットフォームとしての電子インボイスとは、適格請求書の記載項目を電子データとして送受信する仕組みです。
電子データのため、請求書の送受信だけでなく、電子インボイスから仕訳の自動計上や支払管理・入金の消し込み等での活用が期待されています。
電子インボイスは、インボイス制度の開始と同様、令和5年10月からの開始が予定されています。

Q3.インボイス制度の開始後、請求書等を受け取る際、何を確認すれば良いですか?

A3.適格請求書発行事業者が発行したインボイスの保存がなければ、原則、仕入税額控除ができません。
会計ソフトへ入力する際、10%、軽減8%の税率別の入力のほか、「適格請求書発行事業者でない事業者からの仕入」を分けて入力する必要があります。登録番号の記載の有無の確認だけでは、仕入先が、適格請求書発行事業者かどうかはわかりません。国税庁のインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトで確認する必要があります。
現行の区分記載請求書等保存方式では、請求書等に「軽減税率対象品目である旨」「税率区分ごとの合計額」の記載漏れがあった場合、受け取った側がその事実に基づいて追記することが認められていました。しかし、インボイス制度では、原則として、買手側による追記は認められていません。インボイスの記載内容に誤りがあれば、修正したインボイスの発行を取引先に依頼する必要があります。

Q4.インボイス制度で消費税額の計算が変わりますか?

A4.インボイス制度導入後も、売上税額の計算は従来通り「割戻し計算」(税込総額から消費税額を割り戻して計算する方法)が原則ですが、自社が発行したインボイスに記載された税額を積み上げて計算する「積上げ計算も」も認められます。
仕入税額の計算については、受け取ったインボイスに記載された消費税額を積み上げて計算する「積上げ計算」が原則ですが、従来通りの「割戻し計算」や「帳簿積上げ計算」も採用することができます。ただし、仕入税額の計算を「割戻し計算」にする場合は、売上税額の計算を「割戻し計算」する場合に限られます。

(1)売上にかかる税額の計算
原則 … 割戻し計算(税率ごとの税抜金額※ × それぞれの税率)
       ※税込金額総額を税抜金額に割り戻した金額
特例 … 積上げ計算(インボイスに記載した消費税額等を積み上げて計算)
       ※特例は、交付したインボイスまたは簡易インボイスの写しの保存が要件です。

(2)仕入にかかる税額の計算
原則 … 積上げ計算(インボイス等に記載された消費税額等を積み上げて計算)
特例1… 帳簿積上げ計算(税込金額から割り戻して計算した消費税額等を積み上げて計算
       ※税率ごとに「切捨て」または「四捨五入」
特例2… 割戻し計算(税率ごとに集計した税抜金額に税率を乗じて計算)
       ※特例2は、売上にかかる税額の計算において割戻し計算を適用している場合に限られます。

売上税額について「積上げ計算」を選択できるのは、適格請求書発行事業者に限られます。
売上税額を「積上げ計算」により計算する場合は、仕入税額も「積上げ計算」により計算しなければなりません。

Q5.社内の経費精算のルールについて見直しが必要とのことですが、なぜですか?

A5.従業員が、取引先に向かう途中、商店で手土産を買う、タクシーに乗る、居酒屋で接待するといった場合の経費精算について、それらの事業者が適格請求書発行事業者であるかどうかがポイントになります。
利用する商店やタクシー、飲食店がインボイスを発行する事業者かどうかを確認する必要があります。経理担当者だけでなく、営業担当をはじめ全従業員に、インボイス制度の説明、免税事業者からの仕入の注意点などを周知しましょう。そして、現状のルールのままで良いのか検討しましょう。

免税事業者はインボイス制度へどう対応すればよいのか?

2022.2.1
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。買い手側はインボイス(適格請求書)等を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。インボイスは「適格請求書発行事業者」に登録した課税事業者のみが発行できるため、免税事業者には大きな影響があります。今回は、インボイス制度にともなう免税事業者の留意点を見ていきます。

Q1.免税事業者にはインボイス制度のスタートでどんな影響がありますか?

A1.インボイス制度が始まると、買手側は売り手側が発行したインボイス等を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。インボイスを発行できるのは「適格請求書発行事業者」に登録した課税事業者に限られるため、免税事業者はインボイスを発行できません。
買い手側から見ると、免税異業者からの仕入は、仕入税額控除ができなくなるので、消費税の負担が増えることを意味します。

Q2.取引先の消費税負担や今後の取引継続を考えると、免税事業者は課税事業者になった方がよいのでしょうか?

A2.まずは、取引先の意向を確認することが大事です。その上で、適格請求書発行事業者になる場合、消費税の申告、納税などの負担が生じるので慎重に判断する必要があります。
インボイスを発行できない場合、課税事業者の取引先から、消費税相当分の値引や「適格請求書発行事業者」への登録要請、取引自体の見直しなどが検討される可能性があります。なお、以下のような事業者との取引の場合、免税事業者のままで「インボイスを発行しない」という選択も考えられます。
●インボイスを必要としない顧客と取引している事業者(例:小規模小売店、学習塾等)
●卸売市場に出荷し委託販売するケースなど、インボイスの発行が免除されている取引のみを行う事業者

いずれにしても重要なのは、慌てて「適格請求書発行事業者」の登録申請する必要はないということです。
今年1年をかけて、どのような対応がよいのか検討しましょう。

Q3.免税事業者が、「適格請求書発行事業者」になるにはどうすればいいですか?

A3.原則、「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です。ただし、免税事業者が令和5年10月1日の属する課税期間中に「適格請求書発行事業者」の登録を受けた場合、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置があります。
この措置の適用を受けた場合、「消費税課税事業者選択届出書」の提出がなくても、登録日から課税事業者となります。
例えば、個人事業主が令和5年3月31日までに「適格請求書発行事業者」への登録申請をし、令和5年10月1日に登録を受けた場合、令和5年10月1日から課税事業者としてインボイスの発行ができます。つまり、令和5年1月1日~9月30日までは免税事業者で、令和5年10月1日から課税事業者となります。なので、令和5年10月1日以降は、消費税の申告・納税が必要になります。

Q4.課税事業者となった場合、消費税の負担が軽くなる方法がありますか?

A4.課税事業者になっても、簡易課税制度を選択すれば、事務負担が小さくて済みます。免税事業者から課税事業者になる場合、簡易課税制度を選択する方が有利になるケースが多いと考えられます。課税方式の有利不利は一概には言えませんので、各社で判定する必要があります。

【簡易課税制度とは】
課税期間の基準期間の課税売上高が5,000万円以下の場合、課税仕入等の消費税額を「課税売上高×みなし仕入れ率」で計算する方式です。
簡易課税制度は、中小事業者の納税事務負担に配慮する観点から、事業者の選択により、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができる制度です。

具体的には、その納税地の所轄税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した課税事業者は、その基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について、売上げに係る消費税額に、事業の種類の区分(事業区分)に応じて定められたみなし仕入率を乗じて算出した金額を仕入れに係る消費税額として、売上げに係る消費税額から控除することになります。

免税事業者が経過措置の適用を受けて令和5年10月1日の属する課税期間に「適格請求書発行事業者」の登録を受け、登録を受けた日から課税事業者となる場合、その課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した届出書をその課税期間中に提出すれば、その課税期間から簡易課税制度を適用することができます。
例)免税事業者の個人事業主や12月決算法人が令和5年10月1日から登録を受ける場合で、令和5年12月決算期から簡易課税制度を適用するには、令和5年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。

<簡易課税の事業区分とみなし仕入れ率>

事業区分

業種

みなし仕入れ率

第1種事業卸売業90%
第2種事業小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る)80%
第3種事業農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給事業および水道業70%
第4種事業第1、2,3,5,6種事業以外の事業60%
第5種事業運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く)50%
第6種事業不動産業40%

買い手側の留意点(仕入税額控除にはインボイスの保存が必要)

2022.1.13
令和5年10月1日から消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。
買い手側は原則として、売り手側から受領したインボイス(適格請求書)等および一定の事項が記載された帳簿を保存しなければ、仕入税額控除ができなくなります。今回は、インボイス制度にともなう買い手側の留意点を見ていきます。

Q1.インボイス制度のスタートで買い手側が気を付けるべきことは何でしょうか?

A1.インボイスを発行できない取引先から購入した場合、仕入税額控除ができません。インボイスを発行できるのは「適格請求書発行事業者」に登録した課税事業者に限られるため、取引先が「適格請求書発行事業者」かどうかを確認しましょう。
売り手側から受け取ったインボイス(請求書、領収書、納品書、レシート等)、簡易インボイス、自社で作成する帳簿について、一定の事項が記載されたものを保存しなければ、仕入税額控除の適用を受けることができなくなります。一定事項は以下をご確認ください。

【インボイスの(適格請求書)と簡易インボイス(適格簡易請求書)の記載事項】※一定の事項

インボイス(適格請求書)

簡易インボイス(適格簡易請求書)

(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び 適用税率
(5)税率ごとに区分した消費税額等(端数処理は1請求書あたり、税率ごとに1回)
(6)書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
(5)税率ごとに区分した消費税額等はたは適用税率

Q2.取引先が免税事業者でインボイスを発行できない場合はどうなるのでしょうか?

A2.免税事業者や「適格請求書発行事業者」の登録をしていない課税事業者など、インボイスを発行できない取引先から購入した場合は、仕入税額控除の対象になりません。しかし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの6年間は経過措置が設けられています。
インボイス制度導入後、6年間(令和5年10月1日~令和11年9月30日)は、以下の要件を満たせば経過措置を適用することができます。
経過措置の間は、免税事業者からの購入でも仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できます。

【経過措置の適用要件】
●現行の区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等の保存
●経過措置の適用を受ける旨(「80%控除・50%控除の特例を受ける課税仕入である」旨)を記載した帳簿の保存

【経過措置】

適用期間割合
令和5年10月1日~令和8年9月30日仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日~令和11年9月30日
仕入税額相当額の50%

Q3.店舗家賃の支払いを口座振替で行っており、請求書や領収書は貰っていないのですが、どうすればよいでしょうか?

A3.仕入税額控除を受ける為には原則としてインボイスの保存が必要です。インボイスは一定期間の取引をまとめて交付することもできるので、相手から一定期間の家賃についてのインボイスの発行を受け、それを保存することで対応可能です。
この場合、複数の書類でインボイスとしての必要事項を満たしていれば、書類全体でインボイスの要件をクリアできます。例えば、契約書にインボイスとしての必要事項の一部が記載されていて、実際に取引を行った事実を客観的に示す書類(通帳や銀行が発行した振込金受取書など)とともに保存することで、仕入税額控除の要件を満たすことが可能です。

Q4.取引先に直接問い合わせをせずに、取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認することはできますか?

A4.適格請求書発行事業者の名称・登録番号等は、国税庁「インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト」に公表されているので、誰でも閲覧できます。

Q5.自動車整備工場を経営し、中古車の売買も手掛けています。中古車の買取相手(仕入先)は個人(消費者)のケースが多々あります。この場合、仕入税額控除はできないということでしょうか?

A5.古物営業を営む者(古物営業法上の許可を受けて、古物営業を営む古物商である)が、個人等の適格請求書発行事業者以外から、販売用の商品として買い取る場合は、インボイスがなくても一定事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。
また、次のような事業者の取引についても、相手が適格請求書発行事業者でない場合は、一定事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。
 ・質屋による質者の購入
 ・宅地建物取引事業者による建物の購入
 ・再生資源および再生部品の購入
 など、購入者の棚卸資産に該当するものに限る。

Q6.営業担当社員が鉄道やバスを利用する場合も、インボイスの保存が必要でしょうか?

A6.3万円未満の交通費(公共交通機関を利用)であれば、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
帳簿には、通常の記載事項のほかに、「3万円未満の鉄道料金(またはバス料金)」である旨を記載します。
3万円以上の交通費の場合はインボイスの保存が必要です。

【帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合】
以下のような取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
(1)インボイスの交付義務が免除される取引
 ・3万円未満の公共交通機関(船舶、バス、鉄道)による旅客の運送
 ・3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
 ・郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)
(2)簡易インボイスの記載事項(取引年月日を除く)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
(3)古物営業、質屋、宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を購入する取引
(4)適格請求書発行事業者でない者から再生資源または再生部品(棚卸資産に限る)を購入する取引
(5)従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当、通勤手当等に係る課税仕入

インボイス制度によるレシートや領収書の対応は?

2021.12.15
令和5年10月1日から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まります。
売手は買手から求められたとき、インボイス(適格請求書)を発行しなければなりません。
B to C取引のように不特定多数の消費者が対象の場合の対応など、インボイスの発行にに当たって生じる疑問点を見ていきます。

Q1.レシートや領収書はインボイスになるのでしょうか?

A1.一定の事項が記載されていれば、レシートや領収書もインボイスとして認められます。
 請求書、納品書、領収書、レシートなど書類の名称は問いません。
 小売業、飲食店業、タクシー業、駐車場業など不特定多数の者を相手に取引する事業者の場合、インボイスの記載内容を一部省略した「簡易インボイス」(適格簡易請求書)を発行することができます。

【簡易インボイス(適格簡易請求書)とは】
簡易インボイス(適格簡易請求書)とは、小売業や飲食業のように不特定多数と取引する事業者が、以下のように記載項目を簡略化したものです。

 (1)買手側の氏名または名称の記載が不要
 (2)税率ごとに区分した消費税額等、または適用税率のいずれかのみを記載

つまり、小売業や飲食業などのように、レジで発行するレシート、領収書を渡している業種では、現在使っているレシートや領収書に「事業者登録番号」「税率ごとに区分した消費税額等または適用税率」の記載を追加することで、簡易インボイスとして発行することが可能です。

【インボイスの(適格請求書)と簡易インボイス(適格簡易請求書)の記載事項】※一定の事項

インボイス(適格請求書)

簡易インボイス(適格簡易請求書)

(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び 適用税率
(5)税率ごとに区分した消費税額等
   (端数処理は1請求書あたり、税率ごとに1回)
(6)書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
(5)税率ごとに区分した消費税額等はたは適用税率

※赤字の部分を現行のレシートに追加する必要があります。

Q2.手書きの領収書は簡易インボイスになるのでしょうか?

A2.簡易インボイスとして必要な事項が記載されていれば、手書きの領収書もインボイスとして認められます。
 現在の領収書に「税率ごとに区分した消費税額等または適用税率」が記載されていれば、「事業者登録番号」を追加すればOKです。
 手書きの場合は、「事業者登録番号」のゴム印を使って対応できます。

Q3.コインランドリーの無人店舗で代金は機械で受け取りますが、インボイスは必要になるのでしょうか?

A3.機械装置だけで代金の受領やサービスの提供を行う場合、金額が3万円未満であれば、インボイスを発行しなくてもよいとされています。
 自動販売機、コインロッカーなども同様です。

【インボイスの発行が免除される場合】
次の取引は、事業の性質上、インボイスの発行が困難なため、免除されています。
(1)3万円未満の公共交通機関(船舶、バス、鉄道)による旅客の運送
(2)出荷者等が卸売市場において行う生鮮食品等の販売(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)
(3)生産者が農業協同組合、漁業協同組合、森林組合等に委託して行う農林水産物の販売(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限る)
(4)3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等
(5)郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限る)

Q4.スーパーのセルフレジ、飲食店の自動券売機などもインボイスの発行が免除されますか?

A4.セルフレジは、機械装置によって精算が行われるだけで、「自動販売機による販売」には当たらないため、インボイスの発行が必要です。
 自動券売機も、食券の発行と代金の受け取りが行われるだけで、「自動販売機や自動サービス機を使った商品の販売やサービスの提供」には当たらないため、インボイスの発行が必要です。

Q5.インボイスの発行後に値引や返品があった場合、どう対応すればよいでしょうか?

A5.値引や返品により代金を返金する場合、「適格返還請求書(返還インボイス)」の発行が必要です。
 
返品、値引、割戻し、売上値引、販売奨励金など、売上に係る対価の返還を行った場合、返還インボイスの発行が必要です。

【返還インボイスの(適格返還請求書)の記載事項】
 返還インボイスの記載事項は以下のとおりです。発行に当たっては、インボイスと返還インボイスを一つの書類として発行することができます。また、取引金額と消費税額について相殺した後の金額で記載することも認められています。

(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)売上に係る対価の返還等を行う取引年月日
(3)上記(2)の返還等のもととなった売上に係る年月日
(4)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(5)売上に係る対価の返還等の税抜価額または税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
(6)売上に係る対価の返還等の金額に係る消費税額等または適用税率(両方の記載も可)

Q6.インボイスの発行後に記載内容の誤りを指摘された場合、どう対応すればよいでしょうか

A6.インボイスの記載に誤りがあった場合、修正したものを発行する必要があります。
 当初発行したインボイスとの関連性を明らかにした上で、修正した事項を明示した書類を発行することもできます。
現行では、買手による追記(「軽減税率対象品目である旨」「税率区分ごとの合計額」に限る)が認められていますが、インボイス制度では認められていません。

インボイス制度の導入による請求書の様式変更

2021.11.5
令和5年10月1日から適格請求書等保存方式(インボイス制度)が始まります。
それに先立ち、令和3年10月から「適格請求書発行事業者」の登録受付が始まりました。
インボイス制度が始まると、請求書の様式変更など事前準備が必要となります。

【インボイスとは】
インボイス(適格請求書)とは、一定の事項が記載された請求書、納品書、領収書、レシートなどの書類や電子データのことです。
売手(適格請求書発行事業者)には、買手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝えるため、一定の事項を記載したインボイスの発行とその写しの保存などが義務づけられます。
買手は、インボイスの保存だけではなく、これまでと同様、自ら作成する帳簿に一定の事項を記載して保存することで、仕入税額控除が認められます。この消費税の仕組みをインボイス制度といいます。

【インボイスの(適格請求書)の記載事項】※一定の事項
(1)適格請求書発行事業者の氏名または名称 及び 登録番号
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
(4)税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び 適用税率
(5)税率ごとに区分した消費税額等(端数処理は1請求書あたり、税率ごとに1回)
(6)書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

【消費税額の端数処理に注意しましょう】
インボイス制度では、1円未満の端数は、一つのインボイスにつき、税率ごとに1回だけの端数処理となります。
一つのインボイスに記載された一つ一つの品目ごとに消費税額を計算し、1円未満の端数処理を一つ一つ行い、その合計額を「税率ごとに区分した消費税額等」として記載することは認められません。つまり、一つのインボイスでは、税率ごとの合計に対して1回だけ端数処理を行います。
また、端数処理は、切上げ、切捨て、四捨五入など任意の方法で行います。

【納品書と請求書など複数の書類で記載事項を満たすことも可能】
インボイスは一定の記載事項が記載された請求書、納品書、領収書などの書類のことですが、一つの書類のみで全ての記載事項を満たす必要はありません。
例えば、取引の都度、取引先に商品名を記載した納品書を交付し、請求書は1ヵ月分をまとめて発行するケースがよくあります。
このような場合、納品書と請求書の2種類の書類でインボイスの記載事項を満たすことができます。

例1)請求書に消費税額を記載
請求書に、(1)登録番号、(5)税率ごとに区分した消費税額等および(4)適用税率、(6)取引先名を記載します。
納品書に、(2)取引年月日、(3)日々の取引内容、(6)取引先名を記載します。
ただし、納品書番号を記載し、請求書との関連を明確化しておくことが必要です。
この場合、1円未満の端数処理は、請求書で行います。

例2)納品書に消費税額を記載
請求書に、(1)登録番号、(6)取引先名を記載します。
納品書に、(2)取引年月日、(3)日々の取引内容、(5)税率ごとに区分した消費税額等および(4)適用税率、(6)取引先名を記載します。
この場合、1円未満の端数処理は、納品書ごとに行います。

同じ取引でも、(5)税率ごとに区分した消費税額等をどこに記載するかで、税額が異なることがあります。

【インボイスの保存】
発行したインボイスの写しと、受け取ったインボイスを保存することが義務づけられます。
それと共に、次の記載事項を備えた帳簿の保存も必要です。

<帳簿の記載事項>
(1)課税仕入先の氏名または名称
(2)取引年月日
(3)取引内容(軽減税率対象品目である旨)
(4)取引金額

インボイスに基づく正確な記帳と帳簿の保存は、帳簿の証拠力を高め、納税者を守ることにつながります。