会社概要

事務所名株式会社MMCコンサルティング
代表者名
佐多 宗
所在地
〒730-0037 広島県 広島市中区中町1-9 Yビル3階
電話番号082-247-3300
E-mailsata-hajime@tkcnf.or.jp
業務内容

・創業・独立の支援

・売上増対策

・マーケティング
・経営コンサルティング

・自計化システムの導入支援
・経営計画の策定支援
・資産譲渡・贈与・相続の事前対策
・事業承継対策
・保険指導
・経営相談

ほか

対応地域

●広島県:広島市、呉市、廿日市市、大竹市、東広島市、三次市、福山市、尾道市、府中町、海田町、北広島町
●山口県:岩国市
●島根県:浜田市、江津市、大田市、益田市、松江市、邑南町、川本町

グループ会社の有限会社 佐多会計事務所は
TKC全国会会員です
TKC全国会
TKC全国会は、租税正義の実現をめざし関与先企業の永続的繁栄に奉仕するわが国最大級の職業会計人集団です。

 中国税理士会 

総務・税務

年末調整の確認事項! 様式変更に注意しましょう!

2020.11.2
税制改正により、令和2年分の年末調整から申告書の様式が大幅に変更されました。
新様式では、収入・配偶者や扶養家族の有無などにより記入箇所が異なりますので、従業員に事前に説明しておきましょう。

【提出が必要な申告書】
(1)基礎控除申告書
(2)配偶者控除等申告書
(3)所得金額調整控除申告書
(4)扶養控除等(異動)申告書
(5)保険料控除申告書
(6)住宅借入金等特別控除申告書

(1)(2)(3)の3つの申告書は「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という1枚の用紙になります。
従業員の収入金額・配偶者の有無・扶養家族の有無などにより、記入すべき箇所のパターンが6つあります。
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得調整控除申告書(記入例)

申告書の記入パターン

(1)基礎控除申告書
原則として全員が提出します。ただし年収が2,000万円を超える人は確定申告をする必要があるので除きます。
<収入金額の計算方法>
 1~11月までの課税支給額(賞与を含む)合計 + 12月の課税支給額(賞与を含む)見積額

<所得の計算方法>
 収入金額 - 給与所得控除
※給与所得は、申告書の裏面の【給与所得の金額の計算方法】の表に収入金額を当てはめて計算しましょう。
 給与以外に収入がなければ、この金額が「本年中の合計所得金額の見積額」となります。

◆給与以外に所得がある場合
 家賃収入、生命保険の一時金、仮想通貨の売却収入、配当収入などがあれば、「給与所得以外の所得の合計額」に記入します。
 「給与所得」+「給与所得居合の所得の合計額」=「本年中の合計所得金額の見積額」

(2)配偶者控除等申告書
配偶者控除等を受ける人が提出します。ただし、本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合に限ります。
配偶者の合計所得金額が133万円(給与収入で201万5,999円)を超えると配偶者控除や配偶者特別控除は受けることができません。

(3)所得金額調整控除申告書
収入が850万円超の人で、下記の要件のいずれかに該当する人が提出します。
記入時に850万円を超えるかどうかが分からない場合は記入しておきます。
<要件>
 1.本人が特別障害者
 2.同一生計配偶者が特別障害者
 3.扶養親族が特別障害者
 4.扶養親族の年齢が23歳未満(平成10年1月2日以後生まれ)

(4)扶養控除等(異動)申告書
令和2年分の「扶養控除等(異動)申告書」は、昨年の年末調整時に提出を受けていますが、年の途中で入社した人など、まだ提出を受けていない人については必ず提出してもらいます。
既に提出を受けている「令和2年分 扶養控除等(異動)申告書」を従業員に差し戻し、記載内容に訂正がないかを確認してもらいます。年の途中で、結婚、出産、家族の就職、離婚、死別などがある場合は、扶養親族の異動があるので必ず訂正があります。また、所得の見積額に変更がある場合も訂正してもらいます。
令和3年分の「扶養控除等(異動)申告書」は、令和3年の最初の給与の支払日の前日までに提出してもらいます。
令和2年分の扶養控除等(異動)申告書(記入例)
令和3年分の扶養控除等(異動)申告書(記入例)

(5)保険料控除申告書
生命保険料控除や地震保険料控除などを受ける人が提出します。
また、保険会社からの控除証明書の添付が必要です。
令和2年分 保険料控除申告書
令和2年分 保険料控除申告書(記入例)

(6)住宅借入金等特別控除申告書
住宅借入金等特別控除の適用2年目以降は、確定申告ではなく年末調整で控除を受けることができます。
申告書の提出には下記の添付書類が必要です。
・年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書 … 税務署から初年度の申告後に郵送されている
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 … 金融機関が発行

【年末調整の流れ】
(1)従業員に申告書を配布
 注意点や添付書類を説明しましょう

(2)申告書を回収し、内容をチェックする
 ◆結婚、出産、家族の就職など扶養親族の変更確認、同居の有無、寡婦・ひとり親の確認
 ◆控除証明書等の添付漏れがないかの確認

(3)年末調整の計算
 申告書を基に年末調整の計算後、従業員に源泉徴収票を配布します。

(4)法定調書の提出
 翌年1月末までに、税務署に法定調書を、市区町村に給与支払報告書を提出します。

扶養の範囲内で働くための「年収の壁」は103万円?130万円?

2020.10.1
年末が近づいてくると、パート・アルバイト従業員の方は「今年の年収は扶養の範囲内に収まるだろうか」と気になってきます。年末の繁忙期に、年収調整の為に休暇を申請されて職場の人員計画が狂ったり、後から「こんなに働くつもりではなかった」と言われないように、パート・アルバイトの方に税金や社会保険に関する「年収の壁」いわゆる「103万円の壁」「130万円の壁」について説明しておきましょう。

【103万円の壁】(所得税の壁)
一般に、パートで働く主婦は、年収が103万円に収まるように調整することが多いです。
しかし、平成29年度税制改正で配偶者特別控除が拡大され、パート収入が150万円以下であれば、夫は満額の38万円の配偶者特別控除を受けれるようになりました。但し、満額の38万円を受けられるのは、夫の収入が1,095万円以下の場合です。
配偶者控除は、夫の収入が給与収入が給与収入のみの場合、1,095万円を超えると、控除額が縮小されます。1,195万円を超えると、配偶者控除の適用はありません。

例)妻の収入:パート収入のみ 103万円
  夫の収入:給与収入のみ 1,095万円
  ・妻の所得税:なし
  ・妻の社会保険料:夫の扶養の範囲内
  ・夫の配偶者控除:38万円(最高額)

配偶者控除額
【130万円の壁】(社会保険の壁)
社会保険では、妻のパート収入が130万円以上になると、夫の扶養から外れます。妻自身が社会保険料を支払う義務が発生します。そのため、130万円の壁を超えないようにパート収入を調整するケースも多いです。

<注意点>
所得税と社会保険では、収入の範囲が少し異なります。

 所得税 :非課税通勤手当は含まない
 社会保険:非課税通勤手当を含む

例)妻の収入:パート収入のみ 129万円
  夫の収入:給与収入のみ 1,000万円
  ・妻の所得税:あり
  ・妻の社会保険料:夫の扶養の範囲内
  ・夫の配偶者特別控除:38万円(最高額)

例)妻の収入:パート収入のみ 130万円
  夫の収入:給与収入のみ 1,000万円

  ・妻の所得税:あり
  ・妻の社会保険料:妻自身が支払う
  ・夫の配偶者特別控除:38万円(最高額)


社会保険には「130万円の壁」以外に、もう一つの壁があります。下記のような一定要件を満たす場合、妻のパート収入が130万円未満であっても社会保険料の支払い義務が生じます。

【106万円の壁】(社会保険の壁)

・従業員501人以上の大企業に勤務
・雇用期間が1年以上見込まれる
・勤務時間が週20時間以上
・月額賃金8.8万円以上(年額105.6万円以上)※賞与、残業代、交通費を含まない
・学生ではない

年金制度改正により、従業員数の要件は変更されます。
 令和4年9月まで:従業員501人以上
 令和4年10月~ :従業員101人以上
 令和6年10月~ :従業員  51人以上

将来的には、適用範囲が中小企業にも及ぶので、該当する企業は社会保険料の会社負担が増加することになります。


【150万円の壁】(配偶者特別控除額が最大)
妻の収入が103万円を超えると、夫は「配偶者控除」を受けることができなくなりますが、代わりに「配偶者特別控除」を受けることができます。
妻の給与収入が150万円以下の場合、「配偶者特別控除額」は、「配偶者控除額」と同じになります。ただし、配偶者特別控除にも所得制限があります。夫の給与収入が1,095万円を超えると、控除額が縮小されます。

【201万円の壁】(配偶者特別控除が最小)
妻の給与収入が201.6万円以上になると、「配偶者特別控除」は受けられなくなります。

夫婦の収入別 税金・配偶者控除等

【副収入に注意しましょう】
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、下記のような各種給付金が支給されています。これらの給付金は、非課税ですので、収入に含めなくてよいです。

<非課税の給付金>
●新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 … 休業中に会社から休業手当を受け取れなかった従業員に直接支給される
●特別定額給付金 … 国民一律10万円
●子育て世代への臨時特別給付金

<副業・フリマアプリ等の収入>
パート収入以外に、ネットオークションやフリマアプリなどの収入がある場合は注意が必要です。
下記のような収入がある場合、課税所得となり妻のパート収入が103万円以下であっても、扶養の範囲から外れる可能性があります。

◆一時所得 … 生命保険の一時金、保険の解約返戻金、懸賞金、競馬の当選金など
◆雑所得、その他  … 家賃収入、原稿料、株・FX・暗号資産取引による収入、転売による収入

詳しくは確定申告へ

給与所得者は、会社で年末調整を行えば確定申告の必要はありません。しかし、年末調整を行っている場合でも、給与所得以外の副収入で20万円を超える所得がある場合には確定申告が必要です。

令和2年から所得税制が変わります

2020.1.14
税制改正により、令和2年から所得税の基礎控除・給与所得控除の見直しが行われます。
年収850万円以下の人は実質的な税負担は変わりませんが、年収850万円超の人は増税となります。
また、年末調整の手続き電子化され、保険料控除証明書などの書類がデータで提出できるようになります。


【給与所得控除・基礎控除の見直し】
  給与所得控除と基礎控除【令和2年から】図表

(1)給与所得控除の引き下げと上限の見直し
 サラリーマンなどの給与所得者の給与から控除される「給与所得控除」が10万円引き下げられます。また、控除額の上限額が適用される給与収入は、1,000万円から850万円に引き下げられます。控除額の上限額は220万円から195万円に引き下げられます。

(2)基礎控除の引き上げと所得制限
 「基礎控除」は、これまで全ての人の合計所得から一律に38万円が控除されていました。令和2年からは、「基礎控除」の控除額が10万円引上げられます。ただし、所得制限が新たに設けられ、合計所得金額が2,400万円を超えると段階的に控除額が減少し、2,500万円を超えると「基礎控除」は0円となります。

(3)影響のある人、無い人
 1.改正の影響が無い人

  「給与所得控除」の10万円引き下げと、「基礎控除」の10万円引き上げが同時に行われるので、年収850万円までの人は、これまでと変わりません。扶養の範囲である「103万円の壁」などもこれまで通りで変わりません。

 2.年収850万円超の人は増税
  年収850万円超の人は、「給与所得控除」や「基礎控除」の上限額の見直しの影響を受けるため増税となります。ただし、年収850万円超の人でも以下の要件のいずれかに該当すれば、「所得金額調整控除」が適用され、税負担が緩和されます。

 「所得金額調整控除」の要件
  ◆本人が特別障害者である
  ◆23歳未満の扶養親族がいる
  ◆同一生計配偶者又は扶養親族に特別障害者がいる

 年末調整で「所得金額調整控除申告書」を提出すれば、以下の計算式で、給与所得金額から控除されます。
   (年収
※上限1,000万円 - 850万円)×10%

 3.個人事業主は税負担が軽減される
  個人事業主の人は、合計所得金額が2,400万円以下であれば、基礎控除の引き上げにより税負担が軽減されます。


【年末調整手続きの電子化】
年末調整では、保険会社等から郵送された控除証明書を基に、従業員が保険料控除申告書等の書類に記入・計算し、控除証明書と一緒に会社に提出します。会社は申告書と控除証明書を確認し、所得税の年税額を計算します。
令和2年10月以降の年末調整から手続きが電子化され、「従業員から会社へ」の流れが電子で行われるようになります。

(1)電子化の対象
  ・保険料控除証明書
  ・住宅借入金等特別控除申告書
  ・住宅借入金等控除証明書
  ・住宅借入金年末残高証明書

(2)電子化のメリット
 従業員 :手書きの必要がなくなる
 会 社 :・事務負担が軽減される
        ・控除証明書の現物保管が不要になる
 保険会社:証明書の郵送が不要になる

実際に年末調整に必要な書類を電子データで提供するには、会社はあらかじめ所轄税務署に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し承認を受ける必要があります。

(3)データの取得方法
 1.政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」により複数の証明書を一度に取得
   ※マイナポータルのアクセスにはマイナンバーカードが必要
 2.保険会社のホームページ等から取得
     

令和1年の年末調整での注意点

2019.12.2
年末調整に必要な申告書類は、税制改正により複雑になっています。記載漏れや誤りのないように注意しましょう。

【年末調整に必要な申告書類】
 ・扶養控除等(異動)申告書
 ・配偶者控除等申告書
 ・保険料控除申告書
 ・住宅借入金当特別控除申告書
 ・前職分の源泉徴収票
  など


【所得の見積額】
「扶養控除等(異動)申告書」には、配偶者や扶養親族の「本年中の所得の見積額」を記載する欄があります。「配偶者控除申告書」には、本人と配偶者の「本年中の合計所得見積額」の記載欄があります。どちらの「所得の見積額」も同じことを指します。以下に「所得の見積額」の計算方法をご説明します。

【所得の見積額の求め方】
 
(1)「年収の見込額」を求める
 まず、本年の年収の見込額を求めます。
 本年とは、支給日が1月1日~12月31日のまでの給与・賞与です。例えば、給与計算が末日締めの翌月10日払いの場合、12月分の給与は1月10日払いですので、翌年の収入になります。
 年末調整で申告書を提出する際は、12月に支給される給与が確定していません。そのため、1月~11月に支給された給与・賞与の課税支給額の合計額に12月の給与・賞与の見積額を加えて、年収の見積額を求めます。

 ◆給与明細書を確認しましょう
  給与明細書には「総支給額」「課税支給額」「差引支給額」など様々な支給額が記載されています。
  年収を計算する時に合計するのは「課税支給額」です。「課税支給額」には非課税通勤手当が含まれません。また、社会保険料や源泉所得税が控除される前の金額です。
  <年収の見込額の求め方>
   (1) 1~11月給与の課税支給額の合計+賞与額
   (2)  12月給与の課税支給額の見積額+賞与見積額
   (3)  (1)+(2)=年収の見込額

(2)「所得の見積額」を求める
 年収の見積額を求めたら、そこから「給与所等控除額」を差し引いた金額が「所得の見積額」となります。「給与所得控除額」は、ページ下方の「パート収入の扶養の範囲内の壁はどこ?」の「収入と所得の違い」をご参照ください。
 給与以外に生命保険の一時金、家賃収入、配当収入などの収入がある場合は、所得の見積額に合計する必要があります。


【扶養控除等(異動)申告書】
令和2年から所得税の「基礎控除の引上げ」「給与所得控除額の引下げ」が行われます。そのため、令和元年と令和2年分では「所得の見積額」が変わります。令和元年と令和2年の年収が同じと見積もる場合、令和2年分は令和元年分の所得の見積額に10万円を加算します。

 例)給与収入:103万円   

年度所得給与所得控除額
令和元年 38万円 65万円
令和2年 48万円  55万円


【年末調整後の「所得の確定」に注意】
年末調整は「所得の見積額」により配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除などの判定をします。
実際の12月分の給与が当初の見積額以上に増加した場合、年末調整で受けた控除が受けられないことが判明するケースがあります。
配偶者や子どもなどの扶養親族が交付を受けた「源泉徴収票」を確認するようにしましょう。

年末調整後に、控除が受けられないことが判明した場合、以下の方法で対応します。
 ●翌年1月の給与支給日までに年末調整をやり直す
 ●本人が確定申告を行う


【確定申告が必要となるケース】
収入が給与のみの場合、年末調整で所得が確定するので確定申告は必要ありません。
しかし、以下のような場合は確定申告をする必要があります。
  1.副業により他にも給与収入がある場合
  2.年金収入が一定額以上ある場合
  3.医療費控除を受ける場合
  4.その年に住宅を取得し、住宅ローン控除を受ける場合(初年度)
  5.株式の売買で損失が生じ、源泉徴収された所得税の還付を受ける場合
  6.災害により家屋等の損壊を受け雑損控除を受ける場合
  7.ふるさと納税の適用を受ける場合
   ※1年間の寄付先が5自治体以内の場合、ワンストップ特例制度によって寄付先に申請することで確定申告なしでふるさと納税の適用を受けることができます。しかし、1~6などの事由により確定申告をする場合、ワンストップ特例は取り消され、確定申告によりふるさと納税の適用を受ける必要があります。
     

パート収入の扶養の範囲内の壁はどこ?

2019.11.25
年末調整の時期が近づくと、パートやアルバイト従業員から「扶養の範囲内に収まるか?」などの質問が寄せられることがあります。「扶養の範囲」は、所得税・住民税・社会保険で扶養のラインが変わります。

【所得税】「103万円の壁」
(1)配偶者控除のライン
 「103万円の壁」などといわれるラインです。
  例えば、夫がサラリーマンで妻がパートで働いているの場合、妻の年収が103万円以下(パート以外のの収入がない)であれば以下のようになります。
   妻:所得税は非課税

      ※100万円を超えると住民税は課税
   夫:所得税の配偶者控除が受けられる
      ※給与収入(目安)1,220万円以下の場合

(2)「103万円の壁」を超えると?
  妻のパート収入が103万円を超えると以下のようになります。
   妻:所得税は課税
   夫:配偶者控除が受けられなくなるが、一定の要件を満たせば、配偶者特別控除が受けられる
  ※一定の要件:妻のパート収入が201万円以下で、夫の給与収入(目安)が1,220万円以下

(3)パート収入以外の収入はないか?
  妻のパート収入が103万円以下であっても、副収入があれば、それらを含めた合計の収入が103万円を超えると所得税が課税されます。
  また、夫の配偶者控除・配偶者特別控除も変わってきます。
  <副収入>
   例)・生命保険の一時金
     ・損害保険の満期返戻金
     ・家賃収入
     ・原稿料
     ・配当
     ・FX取引による収入
     ・仮想通貨の売却収入
      など

(4)フリマなどの収入は?
  パート収入以外に、ネットオークションやフリマアプリなどによって収入を得ているケースが増えています。
  不用となった家具・衣服などの生活必需品の売却による所得には課税されません。
  一方、せどりや転売、自身で製作した手芸品や模型などの売却による所得は課税になります。ただし、年末調整のみで所得税が確定する場合、収入から必要経費(仕入や材料費など)を差し引いた所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。


【住民税】「100万円の壁」
パート収入が100万円を超えると住民税が課税されます。これを「100万円の壁」といいます。所得税が「103万円の壁」なので、税金全てを扶養の範囲内にしたい場合は「100万円の壁」といわれます。ただし、自治体によっては93万円から課税されるので住んでいる自治体のHPなどで確認しましょう。
なお、所得税では副収入による所得が20万円以下の場合は確定申告は不要ですが、住民税にはこの取り扱いはありません。


【社会保険】130万円、106万円の壁」
「130万円の壁」とは、一般に、妻のパート収入が130万円以上になると、夫の社会保険の扶養家族から外れることを示します。
従業員501人以上の企業では、パートタイマーであっても、月額賃金が88,000円以上(年額1,056,000円)で、一定の要件を満たせば社会保険への加入が義務付けられます。これを「106万円の壁」といいます。大手企業でパートをしている場合は、こちらの場合があります。

<パート収入と所得税・住民税・社会保険の扶養の範囲>

パート収入パート本人の税金夫の配偶者控除等パート本人の
社会保険料
負担※2
所得税住民税配偶者
控除
配偶者
特別控除
所得割均等割
93万円以下非課税非課税非課税×
93万円超 100万以下非課税非課税※1×
100万円超 
103万円以下 
非課税課税課税×
103万円超 130万円未満課税課税課税×※3
130万円以上 201万円以下課税課税課税×
201万円超課税課税課税××

   ※1 自治体によっては、住民税(均等割)が課税されます。
  ※2 所定労働時間によっては、収入に関係なく社会保険への加入が必要です。
  ※3 従業員501人以上の企業では、一定の条件を満たすと、収入が106万円(目安)であれば、社会保険への加入が必要です。また、社会保険は通勤手当も収入に含まれます。


【収入と所得の違い】
「収入(年収」)と同一の意味として捉えがちの言葉に「所得」があります。しかし、「収入」と「所得」では金額が異なります。
 年末調整で記入する「扶養控除等(異動)申告書」には「所得」を記載します。

(1)収入(年収)とは?
  収入が給与(賞与を含む)のみの場合、所得税の源泉徴収や社会保険料を差し引く前の金額が「収入」です。
  非課税通勤手当は収入には含まれません。
  多くの給与明細で「課税支給額」と記載されている欄の年間合計額が「収入」に該当します。

(2)所得とは?
  収入が給与(賞与を含む)のみの場合、給与収入から「給与所得控除」を引いた金額が「所得(給与所得)」になります。
  「給与所得控除」とは給与所得者の必要経費にあたります。
   例)給与収入:103万円
     給与所得控除:65万円
     給与所得:103万円-65万円=38万円
  「給与収入103万円」と「所得38万円」は同じ意味となります。

<給与所得控除>平成29年~令和1年分

給与収入金額給与所得控除額
180万円以下収入金額×40%
65万円に満たない場合は65万円
180万円超 360万円以下収入金額×30%+18万円
360万円超 660万円以下収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下収入金額×10%+120万円
1,000万円超220万円(上限)

 ※同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合、それらの合計額により適用します。


令和2年分から給与所得控除額が変わります。


<給与所得控除>令和2年分~

給与収入金額給与所得控除額
180万円以下収入金額×40%
55万円に満たない場合は55万円
180万円超 360万円以下収入金額×30%+8万円
360万円超 660万円以下収入金額×20%+44万円
660万円超 850万円以下収入金額×10%+110万円
850万円超195万円(上限)

     

平成30年の年末調整で気を付けるポイント

 2018.11.12
【年末調整が平成30年から変わります】
配偶者控除・配偶者特別控除の見直しにより、今年から申告書の様式が変更されました。今年の年末調整で注意すべきポイントは3点です。

(1)申告書が2枚から3枚に変更
(2)配偶者控除の適用を受けるには「配偶者控除等申告書」が必要
(3)「配偶者控除等申告書」には本人と配偶者の所得見積額が必要

(1)申告書が2枚から3枚に変更
 年末調整で提出する書類が2枚から3枚に変更されました。配偶者がいない方は2枚、配偶者がいる方には必ず3枚提出してもらいましょう。
 【従 来】
  〔1〕「扶養控除等申告書」 
  〔2〕「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」
 【変更後】
  〔1〕「扶養控除等申告書」
  〔2〕「保険料控除申告書」
  〔3〕「配偶者控除等申告書」

 〔1〕「扶養控除等申告書」
  ◆配偶者がいる場合
   配偶者が源泉控除対象配偶者に該当するかどうかは、直近の給与明細等を参考にして合計所得を見積りましょう。
  ◆扶養親族がいる場合
   ・16歳以上:「B 控除対象扶養親族」欄に記入
   ・19歳以上23歳未満:「B 控除対象扶養親族」欄に記入したうえ、「特定扶養親族」にチェックを入れる
   ・16歳未満:「16歳未満の扶養親族」欄に記入
   ・満70歳以上:「B 控除対象扶養親族」欄に記入したうえ、「同居老親等」または「その他」のどちらかにチェックを入れる

      *同居老親等:本人か配偶者の直系尊属(父母、祖父母)で同居している人
      *その他:同居老親等以外


 ※収入と所得の違い
  収入:給与・賞与の総額(年収)
  所得:収入から給与所得控除を引いた金額
   例)パート年収103万円
      収入:103万円
      所得:38万円
      給与所得控除:65万円
    
*給与所得の計算方法は「配偶者控除等申告書」の裏面を参考にしましょう。
 
 〔2〕「保険料控除申告書」
  記載内容は従来通りです。保険会社から送付された「生命保険料控除証明書」を基に記載確認しましょう。記載のポイントは以下の通りです。
  〈1〉保険の種類
   1.一般の生命保険料
   2.介護医療保険料
   3.個人年金
   上記の3つに区分されていますので記入欄を確認しましょう。
  〈2〉保険料等の金額
   12月まで支払った場合の金額を記載します。保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」には、発行日までに支払った金額と12月まで支払った場合の金額の2種類が記載されているので要注意です。
  〈3〉保険金等の受取人
   本人が保険料を負担している場合、親族が契約した生命保険でも受取人が本人・配偶者・親族であれば生命保険料控除の対象になります。
  〈4〉社会保険料控除
   親族が負担すべき国民年金を本人が支払った場合、その親族が本人と生計を一にするのであれば、控除の対象になります。「国民年金控除証明書」を添付してもらいましょう。
    例)20歳になった子供の国民年金を親が支払っている場合、親は社会保険料控除を受けることができます。

 〔3〕「配偶者控除等申告書」
  配偶者本人の所得見積額と配偶者の所得見積額により判定します。収入が給与所得だけの場合、申告書裏面の「給与所得の金額の計算方法」を参考ににして計算しましょう。

(2)配偶者控除の適用を受けるには「配偶者控除等申告書」が必要
 従来は配偶者特別控除を受ける場合のみ申告書が必要でした。今年からは、配偶者控除もしくは配偶者特別控除のどちらかを受ける場合、「配偶者控除等申告書」が必要です。配偶者がいる従業員には「配偶者控除等申告書」の提出をしてもらいましょう。

【配偶者控除(平成30年から)】
妻の収入が103万円以下の場合

妻の年齢夫の給与収入(目安)
1,120万円以下1,170万円以下1,220万円以下
70歳未満38万円26万円13万円
70歳以上48万円32万円16万円

 ※夫と妻は逆の場合もあります

【配偶者特別控除(平成30年から)】
詳しくは配偶者控除等 簡易判定表【平成30年1月から】をご参照ください。      

算定基礎届について

  2018.6.15
【算定基礎届の提出】
社会保険にご加入の事業主のみなさま、社会保険の算定基礎届の提出期間は毎年7月1日~7月10日です。タイトなスケジュールですので、事前準備をしておきましょう。

 【提出期間】 7月1日~7月10日 
※期間の始めと終わりが土日祝日の場合は翌営業日
 【提出方法】 郵送 ※所轄の年金事務所への持参も可
 【提出物】・被保険者報酬月額算定基礎届 総括表
      ・被保険者報酬月額算定基礎届

        ※平成30年3月から届出様式が変更されています。

【算定基礎届とは】

7月1日現在で使用している全ての健康保険・厚生年金保険の被保険者に4~6月に支払った賃金を基に、毎年1回「標準報酬月額」を決定します(定時決定)。この定時決定をするための届出が「算定基礎届」です。
「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則として1年間(9月から翌年8月まで)固定され、納付する健康保険・厚生年金保険料の計算や、将来受け取る年金額の計算の基礎となります。
 ※詳しくはに日本年金機構へ

【随時決定とは】
「算定基礎届」で定時決定された「標準報酬月額」で健康保険・厚生年金保険料は1年間固定されます。しかし、昇給・降給により固定的賃金の大幅な変動があった場合は「標準報酬月額」を改訂します。これを随時決定といいます。随時決定に該当する場合、速やかに被保険者月額変更届を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出します。


<随時決定の要件>
  (1) 昇給または降給等により固定的賃金に変動があった
   例)1.昇給・降給
     2.給与体系の変更(日給から月給への変更等)
     3.日給や時間給の単価の変更
     4.請負給・歩合給等の単価、歩合率の変更
     5.住宅手当・役付手当等の固定的な手当の追加
  (2) 変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差がある
  (3) 3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である
     

住民税の給与天引き

  2018.4.16
【個人住民税について】
個人住民税は、年末調整や確定申告で確定した前年の所得によって課税されます。
住民税の税額は、所得の10%(都道府県4%、市町村6%)の税率で一律です。
1月1日の住所地に毎年6月~翌年5月までに納付します。
会社が毎月従業員の給与から個人住民税を天引きして、全員分をまとめて会社が翌月10日までに市町村に納付します。(このことを個人住民税の特別徴収と呼びます。)
5月に入ると「住民税の特別徴収税額の決定通知書」(以下、決定通知書)が会社に届きます。「決定通知書」の金額に基づいて6月から給与天引きします。

【決定通知書が届いた後の流れ】
1)「決定通知書」の確認
  退職した社員など対象外の人が含まれていないかなどの確認します。

2)「決定通知書」を社員に渡す
 会社用と社員用(納税義務者用)の2通が届くので社員に渡します。
   給与明細と一緒に渡すと手間が省けます。

3)新入社員の住民税を確認
 決定通知書」に掲載されていない社員(中途採用含む)の住民税を特別徴収(給与天引き)に切り替える場合、市町村に「特別徴収切替届出書」を提出します。

4)6月からの給与計算に反映させる
 6月からスムーズに給与計算が出来るように給与計算ソフトの税額を修正する。
 ※毎月の住民税を同額にするため、1年分の住民税を12ヶ月で割って、割り切れない部分が初回の6月に割り当てられています。6月分の住民税が残りの11ヶ月よりも高くなっているのでご注意ください。
     

従業員の入社準備

 2018.3.16
【入社時の税務・社会保険の手続き】
4月に入社する社員がいる場合、入社時に税務・社会保険の手続きが必要となります。
事前に提出してもらう書類を確認して、入社後に手続きがスムーズに行えるように準備しておきましょう。

【提出してもらう書類】
(1)扶養控除等(異動)申告書
  給与計算や年末調整の時、扶養者の確認が必要になります。
 マイナンバーの記載も必要ですので、マイナンバーの利用目的のお知らせを作成しておきましょう。

(2)源泉徴収票
 前職がある方は、平成30年1月~入社前までに支給された給与の源泉徴収票を提出してもらいます。
 年末調整時に必要となります。

(3)雇用保険被保険者証
 前職がある方は、雇用保険の手続き時に必要となります。

(4)年金手帳
 健康保険・厚生年金の手続きに年金番号が必要になります。

【健康保険・厚生年金保険】
 <届出書類>
 ◆健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

  健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 記入例
 
 ※扶養がある場合は以下も必要です。
  A.健康保険 被扶養者(異動)届
   健康保険 被扶養者(異動)届 記入例
  B.国民年金 第3号被保険者関係届(配偶者の場合のみ)
      ※AとBは届出が一体化しています。
    配偶者が扶養の場合はB欄への記入が必要です。
      その他のご家族の扶養はC欄へ記入します。

 <必要書類>
  ◆年金手帳
   ※配偶者が扶養の場合は、配偶者の年金手帳も必要です。

 <届出期限>
 入社日から5日以内に管轄の年金事務所へ

【雇用保険】
 <届出書類>

 ◆雇用保険被保険者資格取得届

 <必要書類>
 ◆雇用保険被保険者証

 <届出期限>
 入社日の翌月10日までに管轄のハローワークへ

【税務】
3月・4月は、扶養に入っている家族が卒業・入学・就職などの異動がある時期です。異動があった場合は、すみやかに「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいましょう。
また、年度途中で結婚・出産、配偶者の就職・パート勤務などで扶養家族に異動があった場合も「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいます。

【準備する備品等】
 ・名刺
 ・出勤簿
 ・身分証明書
 ・就業規則
 ・通勤経路申請書
  など
      

平成30年1月から配偶者控除が変わります!

2018.1.1
【配偶者控除等の改正】
平成30年1月から「配偶者控除」「配偶者特別控除」が変更されます。

【配偶者控除】
平成29年までは、妻のパート収入が103万以下であれば、夫は「配偶者控除」38万円を受けることができました。いわゆる「103万円の壁」と呼ばれていたものです。

 ※夫と妻が逆の場合もあります。

平成30年からは、夫に所得制限が設けられました。よって、夫の収入により受けられる「配偶者控除額」が変わる、もしくは受けられなくなります。
夫の年収が1,120万円を超えると控除額が段階的に下げられます。また、夫の収入が1,220万円を超えると「配偶者控除」が受けられなくなります。
夫の収入が高い場合は増税、夫の年収が1,120万円以下で妻の年収が103万円以下であれば改正前と同じです。

【配偶者特別控除】
妻の収入が103万円を超えると、夫は「配偶者控除」は受けられませんが、「配偶者特別控除」を受けることができます。

「配偶者特別控除」は妻の収入によって段階的に縮小されます。改正により、最高38万円の控除を受けることができる妻の年収が150万円以下までに拡大されました。改正前は105万円未満でした。「配偶者特別控除」にも夫の所得制限が設けられましたが、妻の収入が201万円までに拡大されたので、1世帯でみると減税になるケースが増えます。

簡易判定は、こちらの 配偶者控除等 簡易判定表【平成30年1月から】をご参照ください。